十分に発達した科学技術は、
魔法と見分けがつかない。
~アーサー C. クラーク~

技術領域専攻について

技術領域専攻の目標

近年、子ども達の自然離れが進み、ものづくり体験が減っていくにつれ、手先の器用さが失われ、生活の中で簡単な道具が使いこなせず、動きがぎこちなく怪我をしたりすることが増えてきました。自然の中で思いっきり遊びものづくりをする中で、体や手を動かして子ども達は思考し、創意工夫し、生活の知恵を身に付けていくとともに、自ら作り上げたものを使用し、育てた作物を食したり、他人にもそれを供与することで喜びや充実感を感じ取っていきます。技術は私たちの生活を豊かにし便利にするだけでなく、それを学ぶ子ども達にとっては他者の幸せを願う人間としての発達を促すものです。 技術領域専攻では、生産から消費,廃棄(再資源化)に至る社会の営みの中に含まれる種々の技術の基本を学び、それら相互の関係や役割、さらには技術の背景にある思想を総合的に学習します。また、現代の技術は私たちを不便・不自由さや非効率さから解き放ってくれる一方で、環境破壊や戦争などをより深刻化しかねない側面も持っており、技術をいかに正しく理解・評価し使いこなすかが、未来に生きる人達にとって大変重要です。そのためにまず、技術に関する基礎的知識と、技術科教育を根本的に考える専門科目や教職科目を演習・実習を交えながら修得していきます。その上でさらに、技術を自然,環境,社会,人間との関連の中で総合的に理解し正当に評価できるよう、より深く学習・研究していき、最後にこれらを総合し卒業研究として成果をまとめます。 このような学習を通じて、子ども達が人間にとっての技術の役割を、頭脳と身体で正しく理解し評価できるように指導できる深い知識と技能を修得した、実践的指導者として優れた教員を養成します。

教員

(大きな声では言えない)受験生のための専攻紹介(クリックしてください)

技術領域専攻は、1学年の人数が10数名しかいない小さな専攻ですが、 学生は非常にバラエティに富んでいます。 本学で唯一、工業高校、農業高校を対象とした推薦入試があり、 高校の時から専門的な勉強をして来た学生もいれば、 普通科高校から一般入試を突破して来た学生もおり、 みんな得意なことや興味のあることがバラバラだったりします。 「多様な学生がいること」が特徴である本学を象徴するような専攻なので、 自分と違う考えの仲間から刺激を受ける機会も多いと思います。

技術領域専攻は、勉強する内容も非常にバラエティに富んでいます。 電子回路やICTについて勉強した翌日には、機械を使って木材を切ったり削ったり、 かと思えば農場へ出て野菜を育てたりと、 普通の大学ではなかなか経験できないようないろいろな体験をすることができます。 「何をしたいのか見つからない」という人も、 自分の興味のある分野がきっと見つかるはずです。

技術領域専攻というと、「中学校の技術の先生」を目指すところ というイメージがあると思いますが、そんなことはありません。 実は、技術領域を卒業して小学校の先生になっている先輩も結構います。 「小学校には技術科はないじゃないか」と言われれば確かにそのとおりなのですが、 本学では専攻によらず、すべての学生が複数の免許を取ることを推奨しており、 実際ほとんどの学生は(中学校志望の人も含めて)小学校の教員免許を取ります。 そのため本学のカリキュラムはそれを想定した作りになっており、 小学校の教員になるための勉強もしっかりすることになりますので、心配はいりません。 また、技術領域専攻で学ぶ専門的な内容は、 小学校においても理科の実験や草花の栽培、図画工作における器具の扱い、 またさまざまな教材作りなどに役に立ちます。 もともと中学校志望だったが、教育実習で小学生に接してみてその魅力に取り憑かれ、 小学校志望に変更したという先輩もいますので、小学校の先生を目指している人も、 もし技術の勉強に興味があれば、技術領域専攻を選択肢の一つに加えてみてはどうでしょうか。

また、数は少ないですが、中学校の他の教科の先生を目指すことも可能ですし、 実際にそういう先輩もいます。 「他教科の教員になるんだったら技術領域専攻に入る意味あるの?」 と思われるかも知れませんが、 技術領域を卒業して他教科の先生を目指す場合、 技術科の教員を専任で置いている中学校は少ないので、 「他教科の教員が技術科の授業も担当できること」が、 教員採用試験において大きなアドバンテージになります。 もちろん、技術科の免許に加えて、他教科の免許も取得するには、 通常より多くの単位を取らないといけないので、人並み以上の努力をする必要があります。 「それなら他専攻に入学して技術の免許を取ればいいのでは?」と思われるでしょう。 もちろんそれも可能ですし、他専攻の学生で技術の授業を取りに来る人もいます。 しかし、例えば数学領域に入学した場合は、 卒業のために数学の授業を中心に履修する形になります。 この場合、数学の単位を取れないと卒業することができませんが、 技術領域の学生が数学の免許を取りにいく場合は、これが逆になります。 万一、数学の単位を取ることに失敗したとしても、 技術の単位が取れていれば卒業できるので、 数学より技術の方が得意だと言う人にとっては良いかも知れません。 技術にも他の教科にも興味があるという人は、 技術領域専攻に入学して他教科の免許を取りに行くということも考えてみてください。 ただし、時間割の関係で、教科によっては、技術領域の学生が免許を取得するのが 非常に難しい(または不可能な)場合もありますので、 その点については注意が必要です。 具体的なことは、オープンキャンパス等で情報収集してください。

工業高校、農業高校出身の先輩には、卒業後、母校の教員になっている人もいます。 中には、入学時点から母校で教えることを目標にしているという人もおり、 早い時期から夢に向かってまっすぐに努力する姿勢は、 他の学生の刺激にもなっています。 工業高校や農業高校は、普通科の高校とはカリキュラムが違いますので、 大学に入ってから授業について行けるか不安に思っている人がいるかも知れません。 技術領域専攻では、1回生のときに、推薦入試で入学した人に向けて、 「スキルアップ講座」を開講しており、 大学の授業に必要な数学や英語の内容について学ぶことができます。 何より、これまでの先輩の中で、精一杯努力したにも関わらず、 学力的についていけないせいで卒業できなかったという人は一人もいませんので、 その点は安心していいと思います。

受験生のみなさんの中には「先生になりたい」という思いはあるものの、 まだ自分の将来についてそこまではっきりとした ビジョンを持っていない人もいると思います。 本学では入学後、学生がそれぞれ卒業時に取得する 教員免許の種類(これを「主免校種」と言います)を決定し、 それに合わせて時間割を組むのですが、 この主免校種は申請をすることで途中で変更することも可能です。 1回生のうちから、各種の実習や学校訪問など 教育現場を知る機会が多くありますので、 そこで実際に児童や生徒に接したり、現場の先生の話を聞いたりすることで、 自分がどの校種の先生に向いているのか、じっくり考えることもできます。 受験するときには「とにかく先生になりたい」という思いさえあればそれで十分です。

またここを見ている人の中には「特に教員になりたいわけではない」と思っている人もいるかも知れません。 もし「教員になりたいわけではないけれど、京都教育大学を受験してみよう」 と思っている人がいたら、ぜひ知っておいてほしいことがあります。 それは「教員養成大学である本学で学ぶということ」は、 学校教員になるための「最短経路」である反面、 それ以外の進路を目指す上では、 おそらく「遠回り」になってしまうということです。

一般の大学では、かなり早い時期から周囲の学生たちは「就職活動モード」に入り、 内定獲得に向けてそれぞれ必死に活動しはじめますので、 自分自身も否が応でもそういう気分が高まってきますし、 仲間たちとお互いに切磋琢磨しながら、 厳しい就職活動をともに乗り越えていくことができます。 一方で、本学の学生はほとんどが教員志望ですので、 学生同士の会話の中で一般就職の話題が出ることはほとんどなく、 就職活動に向けての切迫した空気を感じ取ることができません。 そのため結果的に、就職活動における熱意や努力の量において、 他大学の学生から遅れを取ることになり、 内定を取るのに苦労する人が多くなります。 また、共に就職を目指す仲間も少ないことから情報共有もしづらく、 大学による就職支援も、 教員以外の進路についてはどうしても手薄にならざるを得ないので、 他大学に比べて情報面においても不利になってしまいます。 本学を卒業して一般企業に就職した人ももちろんいますが、 彼らはみんなそれぞれが人一倍の努力をすることで、 ハンデを乗り越えて内定を勝ち取った人たちばかりです。

たとえ教員にならなかったとしても、 本学で学んだことは決して無駄にはならないとは思います。 しかし、本学の入学定員は決まっていますので、 「教員になる気のない人」が本学に入学するということは、 同時に別の「教員になりたい人」が入学できなかったことを意味します。 一般的に、入試において合否を分けるのはほとんど場合でわずかな得点差であり、 不幸にして不合格になった人の中には、 本学で十分にやっていくことのできる力を持つ人が多くいます。 「教員になりたい人」が本学に入学できなかったことで教員をあきらめる一方で、 「教員になる気のない人」が本学に入学し、 結果的に就職に苦労するようなことがあれば、 それはお互いにとってあまり望ましくないことではないかと思います。

本学の教員ならびに職員はみな、できるだけ多くの学生に教員になってほしいと願っています。 もし現時点で、教員という仕事に対してあまり興味を持てないというのであれば、 本学を受験するのがベストな選択かどうかを慎重に検討してほしいと思います。 「先生になりたい - それはかなう夢」という本学のシンボルフレーズにあるように、 本学を受験していただく際には「先生になりたい」という強い意志を持ってきていただけることを期待します。


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