土屋 英男(TSUCHIYA Hideo)

研究の基本方針と内容

本研究室は,栽培技術および自然環境問題に関する教育的課題,すなわち栽培教育と環境教育を主たる研究の対象としている。
 
産業革命以来の急速な技術革新によって近年,様々な地球的規模の環境問題が引き起こされている。その解決のためには,技術の発展方向性に,自然界の構成員は皆つながって存在しており,自分一人では生きていけないことや,物質とエネルギーは循環させなければならないことなどの論理を技術の規範に取り入れることが大切である。すなわち,これからの技術は,生産された物が廃棄された後,再資源化されるまでを見通した,環境に配慮した生産である必要がある。
 
一方,いじめや登校拒否など,子どもたちを取り巻く状況は深刻さを極めている。この原因は極めて複合的・個別的ではあるが,子どもたちが生命を大切にする気持ちを育て,友達・周りの人たち・動植物に対する優しい思いやりの心を育てる教育が教育現場で十分行われていないことを主原因の一つとして,多くの人たちが認めるところである。こうした問題の解決には動物を飼う(飼育),植物を育てる(栽培)などの「自分より弱いものの世話を子どもたちに体験させる」活動こそが大きな効果をもつもので,栽培を領域にもつ技術・家庭科は,この問題に実践的に対処できる中学校で唯一の重要な教科である。
 
以上の観点から,本研究室では栽培教育や環境教育のもつ子どもたちへの教育的意義について,研究を深めていく。生産技術と環境とのつながりや,子どもたちの心の教育に興味・関心のある学生が入室されることを希望します。
 

現在進行中,または今後予定している研究題目例

  • 産業生産物の廃棄後の再資源化の実態と生産過程への提言
  • 京都丹後地域の農山漁村における子どもの生活環境調査
  • 紙資源植物ケナフを使った汚水の浄化と学校での環境教育への応用
  • 栽培体験のもつ教育力の検証 ー少年院,障害者施設を中心にー
  • 非農業分野へ就職した農業高校出身者にとっての農業体験の意義